2014年1月19日 (仮訳)中国産の新種Umbelopsis changbaiensisおよびMortierella vinaceaのタイプ指定 Wang, Y., Liu, X. & Zheng, R., 2013, Umbelopsis changbaiensis sp. nov. from China and the typification of Mortierella vinacea. Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-013-0948-9 [Accessed January 18, 2014]. 【R3-00288】2014/01/19投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 中国吉林省の長白山脈の森林土壌から分離された菌をUmbelopsis changbaiensisとして新種記載した。 本種は同属の菌とは培養性状、顕微鏡的形質、最大生長温度、分子系統解析の結果などで区別された。 また、本種に最も近縁だったU. vinaceaのバシオニム、Mortierella vinaceaに対してレクトタイプ指定およびエピタイプ指定を行った。 中国吉林省長白山 (新種) Umbelopsis changbaiensis Y.N. Wang, X.Y. Liu & R.Y. Zheng 語源…長白産の 【よく似た種との区別】 Umbelopsis vinacea 同じ中国吉林省、長白山脈に分布する 菌糸体の形質が類似している 胞子嚢が赤色を帯びる 胞子嚢が球形 胞子嚢が多胞子性 胞子嚢胞子が多角形 ITS、LSU、アクチン遺伝子に基づく分子系統解析でごく近縁 本種と異なりMEA培地でのコロニーが黄色と橙色が混ざった色にならない 本種と異なりMEA培地のコロニーが老成しても白色のセクターを生じない 本種と異なりほとんどの胞子嚢柄が顕著に膨らんだ部位から発生する特徴を持たない 本種と異なり胞子嚢柄が短く盛んに分枝する特徴を持たない 本種と異なり胞子嚢柄のほとんどが先細りにならないという特徴を持たない 本種と異なり胞子嚢直下に稀に隔壁を持つという特徴を持たない 本種と異なり小さいが顕著な柱軸を持つという特徴を持たない 本種より胞子嚢胞子のサイズが大きい 本種より胞子嚢胞子が尖った形状をしている 本種と異なり厚壁胞子(ミクロクラミドスポアのみ)を形成する 本種より最大生長温度が高く、32-33°Cではなく35-36°C以上 ITS、LSU、アクチン遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Umbelopsis angularis 菌糸体の形質が類似している 胞子嚢が赤色を帯びる 胞子嚢が球形 胞子嚢が多胞子性 胞子嚢胞子が多角形 本種と異なりMEA培地でのコロニーが黄色と橙色が混ざった色にならない 本種と異なりMEA培地のコロニーが老成しても白色のセクターを生じない 本種と異なりほとんどの胞子嚢柄が顕著に膨らんだ部位から発生する特徴を持たない 本種と異なり胞子嚢柄が短く盛んに分枝する特徴を持たない 本種と異なり胞子嚢柄のほとんどが先細りにならないという特徴を持たない 本種と異なり胞子嚢直下に稀に隔壁を持つという特徴を持たない 本種と異なり小さいが顕著な柱軸を持つという特徴を持たない 本種と異なりCMA培地やMEA培地で盛んに厚壁胞子(マクロクラミドスポアおよびミクロクラミドスポアの2種)を形成する ITS、LSU、アクチン遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Umbelopsis vinacea (Dixon-Stew.) Arx ※本種のレクトタイプ指定およびエピタイプ指定を行った。 【よく似た種との区別】 Umbelopsis vinacea 同じ中国吉林省、長白山脈に分布する 菌糸体の形質が類似している 胞子嚢が赤色を帯びる 胞子嚢が球形 胞子嚢が多胞子性 胞子嚢胞子が多角形 ITS、LSU、アクチン遺伝子に基づく分子系統解析でごく近縁 本種と異なりMEA培地でのコロニーが黄色と橙色が混ざった色になる 本種と異なりMEA培地のコロニーが老成すると白色のセクターを生じることがある 本種と異なりほとんどの胞子嚢柄が顕著に膨らんだ部位から発生する本種と異なり胞子嚢柄が短く盛んに分枝する 本種と異なり胞子嚢柄のほとんどが先細りにならない 本種と異なり胞子嚢直下に稀に隔壁を持つ 本種と異なり小さいが顕著な柱軸を持つ 本種より胞子嚢胞子のサイズが小さい 本種より胞子嚢胞子が尖った形状をしていない 本種と異なり厚壁胞子を形成しない ITS、LSU、アクチン遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Umbelopsis angularis 菌糸体の形質が類似している 胞子嚢が赤色を帯びる 胞子嚢が球形 胞子嚢が多胞子性 胞子嚢胞子が多角形 本種と異なりミクロクラミドスポアだけでなくマクロクラミドスポアも形成する ITS、LSU、アクチン遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される その他の分類学的措置 Mortierella ramanniana var. incrustacea Chalab. & Zhdanovaを疑問種とした。 理由:原記載の簡素な記述からは種概念がはっきりしないこと、本変種に関連する菌株が調査不能であること